BMWの塗装の変遷
欧州では、1980年代から環境問題にいち早く取り組んでいます。そのため自動車製造においても廃棄の際に可能な限り、環境へ悪影響がでないように配慮れたクルマづくりが要求されています。そのなかのひとつが塗装です。
BMWの車両は1980年代中旬までは、一般的な耐性の強い有機溶剤型塗装が使われいました。しかし80年代後半頃からか環境に優しい塗料が使われるようになっています。また、樹脂パーツについても廃棄を考慮された素材が使われだしのもこの頃です。
車種でいうと、80後半年代の5シリーズ E34、7シリーズ E32と90年代前半3シリーズ E36がそれに該当します。この年代のクルマから水性塗料が採用されました。技術も今ほどではありませんので、環境にもよりますがこの年代の車両を青空駐車しているとおおよそ10年前後くらいからクリア層にひび割れが発生してきます。
現存しているこの年代のクルマが全塗装されている理由の多くはそのようなことが要因になっておりことが多いです。
樹脂パーツにおいても特にE36あたりの樹脂パーツが白っぽくなってしまっているのは、環境に配慮した樹脂材質に変更され、それにより今までより紫外線等による耐久性が落ちてしまいそのような状態になっている車両が多いです。
その後、90年代中盤より一部が油性塗料に戻りました。日本の登録年でいると1994年以降がそれにあたります。以前のようなクリア層のひび割れは、格段に少なくなりました。
今では、欧州車各社に限らず多くの自動車メーカーで水性塗料が使われています。技術の進化により耐久性の工場や塗装のツヤ等の見た目の向上など以前のような水性塗料の問題を払拭しています。
そして、さらなる進化で現代のBMWではクリア層の自己修復機能をもつ塗装がされています。
さらにBMWではその塗装のコーティング技術として「Innovection® PLUS」の施工が推進されています。
自身のクルマに最適なコーティングとは
Innovection® PLUSの説明としてBMWのオフシャルサイトでは、
“新開発の無機化合物と有機質のポリマーを独自に融合することにより、Innovection®ならではの深い光沢と重厚な艶を生み出しながら、さらに強固な構造を実現。
革新的なコーティング技術で、新車の頃と変わらない輝きをもたらすInnovection® PLUS。
初めて愛車を手にしたときの歓びを、色あせることなく維持します。”
Innovection® PLUS(イノベクション・プラス)引用
と、一般庶民にはかなり高額なイメージを感じます。そうなるとより身近に感じるのが街のコーティング業者です。しかしながらコーティング=磨きではなく、その工程は予想を上回る緻密で繊細な技術です。また、塗装状態によっても施工方法が異なることもオーナーとして知っておかなければいけない知識です。
間違ったコーティングをすると塗装へのダメージは計り知れません。
最近のコーティングの主流といえばガラスコーティングですが、優良なコーティング業者さんより聞いた話ですが、塗装の状態によって施工方法を使い分ける必要があるとのことです。
1 )ガラスコーティング
新車など状態のいい塗装のクルマに最適で、ボティの薄いキズが非常にすくないので塗膜の上にもう一枚薄っすらと固めの層をのせることで新車本来の塗装状態を保護します。
2)フッ素コーティング
環境にもよりますが、新車3年以上経過した塗装は目に見えない線傷など多くのキズがあります。まずは、下地を十分に整えて可能な限りフラットにして、磨ききれないミクロのキズをフッ素でうめてクルマ全体をフラットにしてコティーングする施工方法です。
両者の耐久年数は、青空駐車で概ね3年、ガレージ保管で概ね5年が目安とのとです。
クルマの外観は、とても大切です。自身の愛車をいつまでも美しい状態で乗り続けるのは、機械的部品のメンテナンスと同様の配慮が必要ということですね!