セルフロックナットとは
普段のメンテナンスのなかで何気なく、締めたり緩めたりするボルトやナット。元にあった場所に同じものを戻すという作業は一般的に行われています。
しかし注意しなければいけないのものがあります。それは、セルフロックナットと塑性域締め付けボルトの存在です。平たく言うと「再利用不可」のボルトやナットのことです。
セルフロックナットとは、規定トルクで締め付けると固定されて緩まなくなるというナットで文字通りそのナットはロックされます。
BMWの部品のなかでもセルフロックナットはかなりの箇所で使われています。なかでも足回り関連のナットのほとんどは再利用不可とサービスマニュアルに記載されています。身近なところですとストラットを止めている3つのナット、これもセルフロックナットで再利用不可と指定されています。
ですので、関連部品交換の際は必ずナット側の仕様を確認して必要であれば、ナットも同じタイミングで手配するようにしましょう。
ロックタイトなど緩みどめを使えばいいのでは?と思うかもしれませんが、サービスマニュアルにはロックタイトの使用の記載とその種類まで記載がありますので、素直に交換したほうが無難です。
塑性域締め付けボルトとは
塑性域締め付けボルトは、締め付けるとボルト自体が伸びてその伸びによってボルトと関連部品が固定されます。重整備でなければ、あまりお目にかかることのないボルトでエンジンヘッドの固定などに使われています。
このボルトは規定トルク意外にさらに角度締め、さらには温度が何度になったらさらに角度締めをしなければならないというかなり特殊なボルトで基本的に再利用不可です。
基本的という意味は、ボルト伸びの長さに既定値があるのですが、その既定値以内であればOKということですが、再利用はトラブルの元になりますので通常、新品に交換します。
普段、何気なしに再利用しているボルト・ナットですが部品交換の際には、再度確認する必要がありますね。